どら焼き専門店を開業したいという方向けのブログです。
本記事では『どら焼き専門店を開きたいと考えているあなたに、どんな技術を勉強しないといけないのか』についてお話ししたいと思います。
私は、一からどら焼きを研究して、完成するまでに約2年半かかりました。そんな過去の経験に基づいたノウハウをまとめつつ解説していきます。
どら焼き専門店を開く前に、まず何をしたらいいのか?
それは、「どら焼きというものをよく理解すること。」です。どんなどら焼きが世の中に存在するのかということをよく知ることが重要です。いわゆる市場調査というやつです。
どら焼きと言うと、形は丸くて中にあんこが挟まった、いわゆる昔ながらの物を想像されると思います。
しかし現在では、生クリームやカスタードクリームなどが入った洋風のものも多く見かけます。また、蒸しどら焼きと言って、通常のどら焼きとは違い、蒸気で蒸しあげて作るどら焼きもあります。
また見た目は、同じように思いますが、食べてみると皮の食感や大きさ、味などそれぞれ工夫されて作られていますし、1つ1つ丁寧に手焼きで作られているもの、機械で量産されているどら焼きもあります。
最近では、どら焼きなのか、パンケーキなのか、わからないような中間のものも販売されています。
このように、市場調査をして、世の中にどんな種類のどら焼きがあるのか、またどんなどら焼きが売れているのか、それはなぜ売れているのか、値段はいくらか、などを十分調べる必要があるのです。
そして、自分が美味しいと思うどら焼きを見つけ出すのです。
どら焼きのレシピ。伝統の三同割(さんどうわり)
市場調査をして、自分がめざすどら焼きが決まれば、次はレシピ作りにとりかかります。あなたが目指すどら焼きよりも美味しいどら焼きを作り出すのです。
そのためには、世の中にあるどら焼きのレシピを片っ端から探していきます。いわゆるこれも市場調査です。そして見つけ出したレシピをパーセントに直して、比較します。
例を挙げてみますね。
和菓子の世界では、昔から受け継がれている基本の配合があります。それを三同割(さんどうわり)と言います。3つの割合が同じという意味です。
3種類の材料が、すべて同じ割合の100%になっていますね。これを三同割と言います。これを参考にしながら、他のレシピと比較して、試作にかかっていきます。
使道具は、やはり銅板がおすすめ
どら焼きの試作に取り掛かる前に、道具が必要になります。そこで、道具のお話をさせて頂きます。
どら焼きを焼く時に必要な道具を平鍋(ひらなべ)と言います。平らな鍋という意味ですが、いわゆるお好み焼きを焼くような鉄板、もしくは銅板の事です。
パンケーキのように、フライパンで焼くこともできますが、どら焼き専門店という事になると、おススメはやはり銅板が良いでしょう。
銅板は、熱伝導が良いので、和菓子の道具にはよく使われています。熱伝導が良いという事は、どら焼きの皮を焼く時に均一に火が通ります。均一に火が通るという事は、生地に入っている膨張剤にも良い影響があり、結果的に焼きあがった皮は、ふっくら、むっくらとした食感に仕上がるのです。
銅板の厚みは、約0.8㎝くらいの物が多いようですが、分厚いほど美味しく焼けますので、私は1㎝の銅板を使ってどら焼きを焼いています。
定番のどら焼きが、美味しくないといけません!
私は、年間25種類くらいのどら焼きを作っていますが、一番の売れ筋は「あんこの入った定番のどら焼き」です。一番よく売れます。
季節によって販売するどら焼きや、和洋折衷のどら焼きなど販売していますが、あんこの入ったどら焼きが一番売れます。
特にどら焼き専門店ともなれば、何種類ものどら焼きを販売することになると思いますが、あんこの入った定番のどら焼きが美味しくないといけませんね。
そのためには、美味しい皮ももちろん必要ですが、何と言っても風味豊かな小豆の粒あんが必要になってきます。
和菓子の命ともいうべき「あんこ」。これが美味しくないと満足のいくどら焼きはできませんので、小豆の炊き方、あんこの作り方を勉強する必要がります。
また洋風どら焼きの場合は、皮とクリームの相性を考える必要があります。
私の場合は、中身に合わせて皮の配合を変えています。どこまでこだわるかということもありますが、皮と中身が合わさって一つのどら焼きになりますので、皮と中身の相性を考える必要があります。
和菓子職人並みに知識と技術が必要
例えば、粒あんの中にお餅を入れたいと思います。するとお餅を作る知識と技術が必要になります。さらにそのどら焼きを少し日が持つようにしたいと思うと、日が持つようなお餅を作らないといけません。
どのようにすれば、次の日にお餅が固くならず、5日間やわらかいままで日が持つのかと言う知識と技術が必要になります。
またあんこを季節により、「桜のあんこ」にしたり、「抹茶あん」、「栗あん」や「さつま芋あん」にしたいと思えば、あんこを炊く技術が必要になります。しかも、自分のどら焼きに合う食感のあんこを炊く技術が必要となります。
ちょっとした手土産に持って行って頂こうと思うと、やはり日持ちが必要です。
どら焼きの皮も、中のあんこも、お餅も全て日が持つように工夫しないといけません。単純に脱酸素剤を入れれば良いというものではありません。和菓子職人並みの技術と知識が必要になってきます。
あとは、練習あるのみ
どら焼き専門店を開く場合は、やはり実演販売が一番おススメです。目の前で焼いているどら焼きをお客様は心待ちにして見ています。
そしてあなたのお店に、行列が出来ているとしたら、あなたは次々とどら焼きを焼き続けなければいけません。その時に段取りが悪く失敗している場合ではありません。
手早く、美味しく次々に焼き上げて、さばいていかなければいけません。その為には、たっぷりと練習をしないといけません。
生地を練ってから、お客様にお渡しするまでをとてもスムーズに段取り良くするための練習をしないといけませんね。美味しいレシピも必要ですが、段取りもとても重要ですので、頑張って練習してくださいね。
今日は、どら焼き専門店を開きたいと考えているあなたに、どんな技術を勉強しないといけないのかについてお話ししました。
やはり、どら焼きしか販売している商品がない訳ですので、どのようにして、どら焼きでお客様を喜ばせるかを考えて頂きたいと思います。
その為には、様々な技術を学び、高いレベルの技術と知識を身に着けないといけません。頑張って自分が納得するどら焼きを作り上げて、あなたのどら焼きでお客様を喜ばせて下さいね。応援しております。
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