あんこ

パン屋さん必見!!競合店に差がつくあんぱんに合うあんこの作り方

あんこ

こんにちは。京都和菓子の学校の水内です。

今日のお話は、パン屋さんに朗報ですよ。あんパンに合う最高のあんこについてお話しします。

「あんぱんに合うあんこ」ってどんなあんこなの?

あんこには、用途によって様々な種類が存在します。和菓子の世界でも何十種類ものあんこを炊いて和菓子を作ります。そこで一番大切なことは、何のためのあんこを炊くのかという事です。

例えば、大福餅用のあんこなのか、また温泉饅頭のような蒸し物用のあんこなのか、また羊羹などに使うあんこなのか。それぞれの用途に合わせたあんこを炊く必要があるのです。

最近、差別化を図るパン屋さんも多く、業務用で流通しているあんこを使うのではなく、自家製のあんこを炊いて美味しいあんぱんを作ろうとされています。

しかし、なかなかうまくいかないようです。

その理由は、あんぱんに最適なあんこを炊かないといけないと言う事をそもそも知らないからなのです。

あんこって何種類もあるのですか?といった具合で、用途別に考えて、それに合わせたレシピも考えて、あんぱんに合う最適なあんこを炊く必要がある事を知らないのです。

では、あんぱんに最適なあんことはどんなあんこなのでしょうか。

あんぱんに最適なあんことは、オーブンで焼いている時になるべく膨張しない、縮まない、そして焼いた後もしっとりとなめらかな状態を保つように炊き上げられたあんこの事を言います。

では、もう少し詳しくご説明していきましょう!

あんパンに最適なあんことは、焼いている時に膨張しにくい、冷めても縮みにくい、そしてしっとりとするあんこの事です!

【作り方のコツ①】膨張しない、縮まないあんこを炊く

上記の写真をご覧ください。皮とあんこの間に空洞ができていますね。これは、あんぱんをオーブンで焼く際に、オーブンの熱で熱せられたあんこが膨張して膨れた後なのです。

空洞が出来ている所まで、あんこが膨張していたという事になります。あんこがパン生地を押し上げているんですね。その後、あんこは冷めて縮みます。その結果空洞が出来るのです。

このように膨張率の激しいあんこの場合、あんこの風味が落ちて、水分が蒸発し、しっとり感がなくなる傾向があります。

あんこにとってオーブンの熱が高すぎて中であんこが沸騰している状態となります。冷却後、あんこは縮みますが、焼く前より固くなって縮んでしまいます。よって膨張率の高いあんこは、あんぱん用としては不向きなのです。

【作り方のコツ②】しっとりの状態を保つあんを炊く。

あんぱんを作るときには、当然オーブンで焼かなくてはいけません。オーブンで焼くということは、あんこにとっては再度、熱っせられて水分が蒸発するということになります。

あんこは、もともとオーブンに入れなくてもそのまま食べられるます。しかし、パンの皮を焼くためにしかたなくオーブンの中に入れざるを得ません。なのであんこにしてみると、2度も熱せられる状態となり、通常のあんこだと水分保持が難しくなるのです。

水分が蒸発するということは、あんこはしっとり感がなくなり、パサついてくるという状態になります。その結果、美味しくないということになります。

また時間が経つとパン生地にあんこの水分がうばわれ、さらにしっとり感がなくなります。このような事にならないように、あんこを炊く必要があるのです。

【作り方のコツ③】パン生地にマッチしたあんこを炊く

パン生地もお店によって様々です。あなたのお店が「これだっ!」と言うパン生地に合わせたあんこを炊かなければなりません。

パン生地とあんこがマッチして初めて美味しいあんぱんができるのです。その為には、パンの膨張率やそれに合わせたあんこの膨張率、また焼き方などに気を付ける必要があります。

自分であんこが炊けるようになると、「甘さ」、「しっとり感」、「季節の変わり種あん」も炊けるようになりますし、何といっても、風味が違います。

あんこにとって風味は命。一口食べた瞬間に口の中に広がる小豆の風味が、あんぱんの美味しさを引き立てます。

自家製のあんこに勝るものはありません。

具体的な手順

今回は、「あんぱんに合うあんこの作り方」をお話ししました。

あんぱんに合う最適なあんこの作り方とは、

1、膨張せず、縮まないあんこを作る。

熱が加わることで膨張率の高いあんこは、冷めた時にもかなり縮んでしまいます。このようなあんこは、オーブンで焼く工程には不向きなあんこなのです。膨張率を最小限に抑え、熱が加わってもあまり膨張しないあんこにする。

2、次の日もしっとりなめらかなあんこを作る。

時間が経つと、どうしてもしっとり感が失われてきます。

あんこにとっては、熱が加わるという事は過酷な事なのです。あんぱんが出来上がる工程を見てみると、あんこには2回熱が入っていることになります。

1回目は、あんこその物を作っている時です。2回目は、あんぱんとして完成させるためにオーブンで焼いている時です。あんこその物は、出来上がったものなので、そのまま食べることができますよね。

しかしパン生地を焼かないといけないので、仕方なくオーブンに入れて焼かざるを得ないのです。そこで必要以上に水分が失われてしまうのです。この工程を踏まえたうえで、あんこを炊く必要があります。

3、パン生地の膨張率や食感に合わせて、あんこのレシピーを作り、パン生地にマッチしたあんこを作ります。

パンの焼き方も工夫し、水分蒸発も考えながらあんこを作ることが出来れば、理想的なあんぱんができること間違いなしです。

是非、行列ができるほど、人気のあんぱんを作ってくださいね。

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